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出会う方、出会う方が本当に同じ悩みを口にします。「どうやって英語を学習したらいいの?」英語学習には唯一の公式はありません。それだけに分かりづらいと感じる気持ちがよく分かります。なぜなら私自身が英語学習の難しさに悩んできたからです。どのように英語学習をすべきなのか、長く続けられるコツはあるのか、私の経験をもとにオススメ情報としてみなさんに共有して行きたいと思います。
英語を学ぶ目的を考える
何事も目的を持って行うのと、目的を持たずに行うのでは成果が異なります。しっかり目的を持って英語学習を行いたいものです。国際ビジネスコミュニケーション学会が行なった調査によると英語を学習している理由は以下の通りです。
上記を見ると、英語学習の目的は以下の4つに整理できます。
英語を学ぶ目的
1 海外旅行での現地人とのコミュニケーション
2 キャリアアップ・転職
3 国内で外国人とのコミュニケーション
4 本・映画・ドラマを英語で楽しむ
1 海外旅行での現地人とのコミュニケーション
海外旅行に行くたびに「英語を勉強しておけば良かった」と感じることはありませんか。英語で現地の人とコミュニケーションが取れれば旅の想い出は何倍にも膨らみます。
- 道を尋ねる
- 現地のオススメのお店を教えてもらう
- バーやパブなどで相席する
- 交通機関で隣り合わせて雑談する
- 英語さえできれば上記のようなコミュニケーションによって旅の魅力が大幅に増しますし、人と人との触れ合いはその旅、その人しか経験出来ないものです。世界遺産を見るだけなら他の人と同じ体験しか出来ません。しかし言葉を操る動物である私たち人間は人と話すことでその国のこと、そこに住む人たちの事を本当の意味で感じることができるのだと思います。
2 キャリアアップ・転職
私自身は英語で仕事をすることに憧れて一生懸命英語を勉強しました。海外で活躍する人、世界の橋渡しをする人を見て、「自分もこういう人になりたい」と思ったからです。そうしたロールモデルを通じて英語を学ぶ目的を自分の中にセットしました。そこで私がしたのが以下の計画と実行です。
- なりたい自分を定める
- ないたい自分にどんな英語が必要かを定める
- 必要な英語力を目標として定める
- 目標に向けて日々学習する
④の学習を続けることは簡単なことではありません。だから私に相談をしてくる多くの方は④のベストな学習方法を教えて欲しいと言います。しかし④しか考えていない人で学習が続いた人を私は知りません。やはりしっかり学習を継続できる人には共通することがあります。それは目的や目標を持っていることです。まずは目的をセットし、その目的の達成に必要な水準を目標として設定するといいと思います。そうして自分の中で整理できた方は本当に強いです。信じられないくらいのスピードで英語力をつけていきます。私の周りでも外資系ハイテク企業に転職するために仕事の合間に英語を猛勉強し、見事高い倍率を勝ち抜いて転職を果たした同僚がいます。
3 国内で外国人とのコミュニケーション
外国人の日本への旅行が本当に増えました。普段の生活の中で、交差点や駅や電車の中で外国人に遭遇する事もあるのではないでしょうか。中には道に迷っていそうな方を見かけますよね。そんな時にスマートに助けてあげられたら相手は本当に喜ぶと思います。日本をもっと好きになってくれます。そして助けた側の私たちもとても清々しい気持ちになれますし、どんな国から来たのか、これからどこに行くのか、食べ物は何が好きか、など雑談するだけでも楽しいものです。また私は20代の頃ですが、道に迷っている外国人に対して道案内をしてあげたところ、当時付き合っていた彼女にすごく褒められました。一つのモチベーションになればと思い、私の経験としてお伝えします。英語で人助けをすると、モテます。
4 本・映画・ドラマを英語で楽しむ
私は映画が好きなのですが、昔から日本語吹き替え版で映画を見る事が好きではありませんでした。どうしても演技のニュアンスが伝わりづらく、吹き替えによって雰囲気が損なわれているように感じるのです。ですのでやはり映画は英語で見たい、できれば字幕を追わずに見たい、そうすることでその作品をそのままの状態で観る事ができます。私は好きな映画を何度も何度も見て、フレーズを覚えたり、シャドーイングといって、オウムの様に英語の同時モノマネをします。これはすごく疲れる練習法なのですが、とても良い学習方法です。好きな映画の主人公になりきるだけで英語の勉強になっている、というのは一石二鳥そのものです。ぜひオススメします。
英語学習は長い道のりを歩くことになるので、英語を学ぶ目的や目標が設定できたらとても強いです。学習を行う意思を強く持てるようになりますので、簡単に学習をやめたりすることが少なくなります。私も英語で仕事をする事をイメージできてから、本気で学習が出来るようになりました。
そこで重要になるのが実際の学習のボリュームです。一体どのくらい勉強しなければならないのか、気になりますよね。以下の情報を共有します。何事もゴールを見据えて、そこからの逆算として日々の行動をしていきましょう。
英語学習には2000時間が必要
英語学習にはどれだけの時間が必要なのでしょうか。その答えの参考として一つのデータをご紹介します。アメリカの外交を司る機関であるアメリカ国務省の語学研修機関であるFSI(Foreign Service Institute)では外交官に対して各国の言語の習得を補佐する機関として言語学習の研究を行なっています。各国との交渉を有利に行うために外交官の言語能力向上を目的とした同機関では以下の調査結果を公開しています。
アメリカ国務省 語学研修期間 FSI(Foreign Service Institute)
外交官がプロとして英語が使えるレベルになるための語学学習時間について説明されています。
FSI’s Experience with Language Learning
The following language learning timelines reflect 70 years of experience in teaching languages to U.S. diplomats, and illustrate the time usually required for a student to reach “Professional Working Proficiency” in the language, or a score of “Speaking-3/Reading-3” on the Interagency Language Roundtable scale. These timelines are based on what FSI has observed as the average length of time for a student to achieve proficiency, though the actual time can vary based on a number of factors, including the language learner’s natural ability, prior linguistic experience, and time spent in the classroom.
カテゴリーⅠ 英語に近い言語 600ー750時間
イタリア語 | フランス語 | スペイン語 |
デンマーク語 | ノルウェー語 | ポルトガル語 |
ルーマニア語 | スウェーデン語 | オランダ語 |
カテゴリーⅡ やや英語に近い言語 900時間
ドイツ語 | ハイチクレオール語 | インドネシア語 |
マレー語 | スワヒリ語 |
カテゴリーⅢ 難易度の高い言語 1100時間
アルバニア語 | ベルギー語 | チェコ語 |
フィンランド語 | ネパール語 | ロシア語 |
タイ語 | タガログ語 | マケドニア語 |
カテゴリーⅣ 超難易度の高い言語 2200時間
アラビア語 | 北京語 | 広東語 |
韓国語 | 日本語 |
“Super-hard languages” – Languages which are exceptionally difficult for native English speakers.
なんとアメリカの外交官というハイスペックなエリートを持ってしても2200時間を要する超難易度の高い言語、それが日本語とのことです。ですので私のような一般の人であれば3000時間程度は覚悟をすべきです。もちろん海外旅行で英語を使う場合であれば、1500時間もあれば、ほとんど支障が無いレベルになれます。一方でビジネスで英語を使うレベルの場合は、抽象的な概念を語れたり、タフな交渉をするレベルのコミュニケーションが求められるため、3000時間程度を要すことになります。(それにしても“Super-hard languages”とは間抜けな響きだと感じるのは私だけでしょうか。)しかし中学校、高校で700時間程度英語を学んできたことを踏まえると、実際にはこれから学ぶ必要のある領域は約2000時間分であると言えます。良く日本の学校教育で教える英語は使えない、身につかないと言われていますが、私はそんなことないと思います。というのも、日常会話で使われる基本的な単語を全く知らない人に会ったことは無いですし、単語一つひとつはわかるけれども、正しい用法が分からない、だから自分は英語が出来ない、と考えている人が結構多い印象があります。その方々はご自身の学習経験がしっかりと知見になっていて、大人になって学び直しをすれば見えないスキル同士が結びついてすぐに見える形で現れます。この時に「できる」「話せる」と明確に感じます。これが語学を学ぶ快感なのです。この経験を経ると、語学学習の楽しさを感じてその後の学習に身が入ります。2000時間で大丈夫です。3000時間は必要ありません。
英語学習に必要なのは2000時間、3000時間ではない
1日 30分 | 約11年間 |
1日 1時間 | 約6年間 |
1日 2時間 | 約3年間 |
1日 3時間 | 約2年間 |
こうして整理してみると、2000時間という時間の長さを感じます。1日3時間を2年間ずっと続けるのはほとんど無理なのではないでしょうか。少なくとも私には無理です。なぜなら仕事も子育てもあり、学習だけに毎日こんなに長い時間を費やすことは出来ません。では忙しい生活の中で、どうしたら少しでも長く、英語学習をすることができるでしょうか。
好きな事で英語学習をする事が続けるコツ
出来る範囲で続けることが英語学習では重要です。なぜなら一度学習を止めると、再度学習意欲を復活させるのはとても難しいからです。だからこそ伝えたいことがあります。
自分が好きなことで英語を学ぶ
これは非常に大事なことです。楽しいことなら続けられます。例えば以下のような学習方法ならリラックスして楽しみながら続ける事ができるのではないでしょうか。趣味などから自分なりの学習の仕方を考えてみてください。
映画の名シーンをモノマネして英語を覚える
Youtubeで好きな外国人セレブの英語を真似てみる
スティーブ・ジョブスのプレゼンをコピーしてみる
サッカーの実況を英語で聴いてみる
洋楽を歌うことで発音を強化する
考え方次第で英語学習は”お勉強”ではなくなる
こういう考え方をすると、途端に学習時間を長く取ることができます。人間は正直な生き物なので、”勉強”の時間は長く確保することは出来ませんが、楽しい遊びは何時間でもすることができます。どうせやるなら楽しくやったほうがいいに決まっています。長く続ける事でしっかりとスキルとして身につきます。実感できる日が来るまで、ぜひ楽しみながら続けてみてください。