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今日の表現
今回はインターネット時代においてアメリカのTV業界を破壊したNetflixが発した企業カルチャーを紹介します。これがシリコンバレーで生まれた最も重要な資料と言われています。英語の参考にもなりますがビジネス、または組織マネジメントの参考にもなる言葉達です。
What is special about Netflix, though, is how much we:
Netflixが大切にしているのは以下です。
encourage independent decision-making by employees
従業員の意思決定を奨励する
share information openly, broadly, and deliberately
情報を惜しみなく、広く、意図的に公開する
are extraordinarily candid with each other
全員が互いに全く遠慮無く過ごす事ができる
keep only our highly effective people
全員が効率的に働いている
avoid rules
ルールを回避する
NETFLIX WEBサイト
https://jobs.netflix.com/culture
ものすごく自由で、従業員の能力を信じて、最大限に活かしながらも、責任も同時に求める、そんなカルチャーだと感じます。特に全員が効率的に働いている、という部分は、英語が得意な方はビシビシ感じると思いますが、その裏側のニュアンスに、”非効率な従業員はいらない、というか排除する”といった意図すら感じます。日本と対照的な超流動的なアメリカ人材市場を表す一文だと思います。だからこそ、時代の流れにうまく乗った新しい映像ビジネスを行う企業が優秀な人材を集めているのだと捉えることができます。
これがシリコンバレーで生まれた最も重要な資料
そんなNETFLIXはアメリカのメディア環境を大きく変えた会社です。それを知るためには２０世紀のメディアの歴史的な背景を知る必要があります。具体的には動画メディアの発達の流れに触れていきます。
20世紀前半は映画の時代でした。映画の発達には2つの発明がありました。一つは１890年にアメリカのエジソンがキネトスコープの発明です。キネトスコープは一人で鑑賞するタイプののぞき窓型のスタイルでした。もう一つは1895年のフランスのリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフです。これはスクリーンに映像を流し、複数の人で視聴できるスタイルでした。現在の映画館につながる発明はシネマトグラフとなりました。映画をシネマというのはこの言葉によるものです。
この技術は第一次世界大戦後の好景気に沸いたアメリカで大きく発達し、特に東海岸でエジソンがアメリカの映画業界を専売的に牛耳ろうとしたことに逃れるように映画事業を行いたい人々が目指したのが西海岸で、そうした新興の派閥が定着した場所こそがハリウッドでした。ハリウッドでは多くの配給会社と映画スターを生むことになりました。
そうした映画の発展が大衆的な映像文化の発展とするならば、テレビは家庭の映像文化の発展と対比できますが、日本でテレビ放送が開始する1953年のずっと前の1928年のアメリカで世界初のテレビ放送が開始されました。第二次世界対戦のずっと前です。後に日本と戦争をする事になるアメリカは文明力の違いがあったと言われますが、テレビの歴史を一つとってもそのことが感じられます。
ちなみにオリンピックとテレビは関わりが深い事が分かります。ドイツは1936年のベルリンオリンピックに合わせてテレビ放送を前年に開始しました。ベルリンオリンピックはヒトラーによるプロパガンダに利用された大会と言われていますが、その思想を伝えるマスメディアとしてテレビが活用されたということです。そして日本も1964年の東京オリンピックに合わせてテレビのカラー放送を開始しました。この時期に直接大会を見にいけない全国の国民がテレビを買い求め、一気にテレビが普及したそうです。
そうして世界的にテレビがメディア環境のインフラとして広く広まっていきました。アメリカではその後８０年代に自由化、規制緩和が進み、地上派、ケーブル、衛星を含めてものすごい数の放送局、チャンネルが増えました。そうすることで市場の競争が進んでいく中で経営の統廃合が行われることになりました。結果として映画、映像制作、放送、通信、新聞、雑誌といったメディアが領域を超えて統合が進み、コングロマリットを形成する事になりました。
そうした中で96年に始まったインターネットを活用した新しいメディア企業で急成長したのがNetflixです。サブスクリプション型のビジネスモデルでハリウッド級の高いクオリティの番組を提供することで急速に指示を集めました。既存の放送局の利権をぶち壊すまさにディスラプションを起こしました。そうしたNetflixの経営に大きな注目が集まっている中で今回の企業カルチャーが多くの企業にとって参考とすべきものとなっているのです。
